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RICHARD BONA QUINTET

artist RICHARD BONA

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

唯一無二のグルーヴを誇るベース・プレイ、聴く者を包み込むようなあたたかな歌声、そして抜群のエンタテインメント性。人気ミュージシャン、リチャード・ボナの公演が昨日から始まりました。自身のプロジェクトによる来日は2023年4月以来、ちょうど3年半ぶり。初日はソールド・アウトとなり、ミュージシャンとオーディエンス双方の熱気がぶつかりあうような圧巻のひとときを味わうことができました。

5弦エレクトリック・ベースとヴォーカルを兼ねるボナを囲むようにバンドスタンド上に並んだのは、フランス生まれのアレクサンダー・へリコン(トランペット)、ミッシェル・ルコック(キーボード)、ニコラ・ヴィカーロ(ドラムス)、イタリア生まれのシロ・マンナ(ギター)という面々。シロとミッシェルは2018年の公演にも同行した、近年のボナ・ミュージックになくてはならない存在です。ニコラはエティエンヌ・ムバッペやドミニク・ディ・ピアッツァといったベーシスト(ボナの好敵手といっていいでしょう)ともタッグを組む凄腕で、アレクサンダーはエレクトロ・デラックスやベン・ロンクル・ソウルとの共演経験を持つほか、自身のユニット"ビッグ・ファンク・ブラス"でも目覚ましい活動を繰り広げてきました。ボナはトランペットを入れたワン・ホーン編成に深い愛着があるのか、過去テイラー・ハスキンス、リー・グリーンブラット、デニス・エルナンデスなど数々の奏者をフィーチャーしてきましたが、アレクサンダーはミュートとオープンをほぼ半々の割合で使い分け、時にリリカルに、時にワイルドにと、トランペットの魅力をたっぷり示してくれました。彼の吹奏と、ミッシェルの演奏するシンセサイザーのヴォイシングが一体化すると、そこにホーン・セクションがいるかのような音の厚みが生まれるところも、今回のバンド・サウンドの妙といえましょう。

初日ファースト・セットは、初期のレパートリー「Te Misea (A Scream To Save The Planet)」から始まりました。ゆったりとした歌唱と超絶的なベース・ラインの双方を同時にこなすボナの身体は、まるで2つの頭脳を持っているかのようです。雄大な楽想で観客を酔わせたあとは、ボナ流のファンクというべき「Please Don't Stop」へ。アルバム『Tiki』にはジョン・レジェンドとの共演ヴァージョンが収められていましたが、この日はもちろんボナが美声をたっぷりと披露します。スローバラードの「Dreamland」ではエフェクトをかけたベースが旋律を奏でて、なんともいえない安らぎのひとときをつくり、かと思えば「Shiva Mantra」ではドラマーを除く全員が超絶フレーズを文字通り「一糸乱れぬ」という趣で高速合奏します。メロディアスなところは甘美なまでにメロディアス、そして超絶技巧を示すところでは遠慮会釈なくハードに迫る。このメリハリ、幅広さも、ライヴの大きな聴きどころです。

プログラムの後半では敬愛するジャコ・パストリアスゆかりの「Teen Town」を演奏し(私が過去の公演で何度か聴いたときとは異なるアレンジが施されていました)、レゲエ調の「Bisso Baba」、シロのロック・テイストのギターが映える「Diba La Bobe」が次々と登場、徹底的に盛りあげて、最後をキーボードと歌のリリカルなデュオ「Alfonsina y el mar」でしめくくる構成も粋でした。音楽の喜びを伝えるリチャード・ボナ・クインテットの公演は6日まで続きます。
(原田 2026 10.5)

Photo by Takuo Sato

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【LIVE INFORMATION】

RICHARD BONA QUINTET
2026 10.3 sat. 高崎芸術劇場 / スタジオシアター
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2026 10.4 sun., 10.5 mon., 10.6 tue. ブルーノート東京
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